競売市場の特殊性については「最低価格の安い訳」で述べましたが、特別な市場であるわけではなく、一般の中古不動産の売買と同様に考えてよいのです。一般の中古不動産売買でもさまざまな問題が起ることは周知の通りで、この物件は法外に高いのではのではないか、手付け金を預けたが契約通り実行されるか、売り手の身元は信用できるであろうか、代金の支払いと不動産の引き渡しが完全に行われるかどうか、など数え上げればきりがないほどあります。
裁判所の競売物件はこのような心配はありません。競売物件には一件ごとに評価人による適正に評価された評価書が添付されていますし、競売不動産は裁判所である国家機関が主体となって行いますから、ガラス張りであり身元の不安もありません。 民間売買の手付け金に相当するものが、買い受け申し出の保証金になり、裁判所に保管されますので、民間取引にある預け先での横領・詐欺・持ち逃げなどのトラブルに巻き込まれる心配は全くありません。
さらに、競売不動産の買い入れの特徴としてあげられるものに、買い入れによる不動産の登記簿上のいろいろな権利・設定が、裁判所の指示で抹消され新しくなり整理されることがあります。 デメリットとしては、「最低価格の安い訳」で述べたような点が挙げられます。一般的には、競売不動産にはメリットとデメリットが表裏の関係にあり、リスクのある物件はそれなりに安く評価されリスクの少ない物件は高めに評価されています。
どちらにしても安い買い物ではなく、トラブルに巻き込まれないよう、細心の注意を払ってその物件を調査し引き渡しまでの見通しを立て、入札に当たるよう心がけるとともに、競売不動産という特殊性を良く理解している専門家に相談されることをお勧めします。 |